Bento 2 でプロジェクト管理を作成(レポート#2)

Bento2の最初のレポートを書いてから、1ヶ月近く過ぎてしまいました。その間、なかなかBento2に触れられず、レポートに書くネタが無い状態でした。。
しかし、1本目のテンプレート提出の締切が迫ってきたため、再びBento2を使って、あれこれ作業してみました。(結局、1本目のテンプレートを送ったのは、締切日当日でした)


今回は、フリーランス用のプロジェクト管理のライブラリ(Bento2では一つのデータベースをライブラリと呼びます)を作ってみました。

私は、フリーランスで活動していますが、webや印刷物のデザイン、写真撮影、ビデオ撮影・編集など、あれこれやっており、クライントも様々です。
請求の管理はFileMakerでやっていますが、各プロジェクト(仕事)の内容や納期などは、ちゃんと管理できておらず、手書きの手帳(今年からは「ほぼ日手帳 カズン(A5)」を使用しています)に、いろいろ書き込んでいます。

まず、標準のテンプレートに「プロジェクト」があるので、これを参考に、どんな項目を追加していったらいいか考えました。すると、納期や予算、クライアントや協力スタッフの連絡先など、たくさんの項目が出てきました。これを一つの画面に詰め込むと見づらくなってしまうので、内容毎に複数のフォームに分けました。(Bento2では、簡単に複数のフォーム(レイアウト)が作成できます)


*概要


プロジェクトの基本情報として、プロジェクト名、クライアント、作業分類(写真、ビデオ、WEBなど)、優先度(フィールドタイプのレートを使用)、ステータス(作業中、完了など)、着手日、納期など、支払い関係として、支払い形式(完了時支払い、月額払いなど)、予算、事前支払い(なし、前払いありなど)を入れています。
その他、自分の覚え書きとして、大まかな作業ペース(週1日、月3日などのように)、予算と作業ペースから想定作業単価も入れるようにしています。

Bento2でのフォームのレイアウトは、左下のフィールド一覧から、フィールド名をフォームの画面にドラッグするだけでOKです。配置したフィールドは、マウスでドラッグしたり、ポイントをつまんで広げるだけで簡単に調整できます。
ただし、段組を組み合わせた複雑なレイアウトはどうも無理なようです。下の「クライアント」のフォームのように、列区切り線を入れた2段組(3段、4段組も可能)ですが、上半分は1段組、下半分は2段組ついったレイアウトは無理でした。水平区切り線は入れらるんですが、列区切り線の上に水平区切り線を入れることはできませんでした。

また、フォームのバックの色・模様やテキストの色は、テーマを選ぶことによって、簡単に模様替えできます。今回は、「ガンメタル」のテーマを選んでいます。ただし、オリジナルのテーマは作成できないようです。

Bento2のフォームは、初心者でも簡単に、それなりに見栄えがいいものができるようになっていますが、その反面、レイアウトの自由度は低く、もどかしく感じる場面がありました。これに対し、FileMakerは、フォームのレイアウトの自由度は高く、思い通りのものが作れますが、手間と時間がかかってしまいます。

新しい、FileMaker10では、Bento2のライブラリも取り込めるようになりましたが、フィールドとレコードのみで、フォームのレイアウトは、残念ながら取り込めません。Bento2でベースとなるフォーマットを作成し、FileMakerで調整して仕上げるといった流れができるといいんですが。。


*クライアント


クライアントの連絡先などの整理用のフォームです。
電話番号、住所、メール、WEBサイトは、それぞれ、電話番号、アドレス、メールアドレス、URLといったフィールドタイプを使用しています。電話番号は拡大表示でき、住所、メール、WEBサイトはそれぞれ、Googleマップ、メールソフト、ブラウザにリンクされています。


*協力スタッフ


協力スタッフのフィールドは、アドレスブックとリンクされており、簡単に、OSX標準のアドレスブックからレコード(データ)を取りこむことが出来ます。また、Bento2で電話番号等を修正した場合は、自動的にアドレスブックのレコードも修正されます。
これは、便利ですが、アドレスブックを間違って書き換えてしまう危険性もあります。

この、アドレスブックとリンクさせる機能ですが、一つのレコードでは、アドレスブックの同じレコードとしかリンクできないようです。
今回、クライアントの連絡先も、アドレスブックとリンクさせようと思いましたが、一つのレコードで、二通りのリンクはできませんでした。同じレコードにクライアントと協力スタッフの二つのアドレスブックとのリンク(上のフォームの表形式の部分)を表示させても、どちらも同じアドレスブックのレコードが表示されてしまいます。
本当は、一つ前の「クライアント」のフォームでも、アドレスブックから連絡先(レコード)を取り込みかったんですが、無理だったので、クライアントの方は、プロジェクト管理のライブラリにデータを記録するようにしています。


*メールの記録


Bento2では、OSX標準のMailのメールメッセージが取り込めるので、メールの記録のフォームを作りました。
しかし、メールメッセージが取り込めるのは、POPアカウントのみで、IMAPアカウントのメッセージは取り込めませんでした。私は、メールソフトは主にThunderbirdを使っており、Mailの方はIMAPでアカウントを設定しているため、残念ながらこのフォームは使えないようです。

POPアカウントでも、メールメッセージは手動で取り込まなくてはいけません。私は、メールを自動的にフォルダに振り分けているので、指定したフォルダのメッセージを自動的に取り込めたらもっと便利だと思います。(MailのPOPアカウントでのスマートフォルダなら可能なのかな?)
現状の、手動で取り込む方法だと、日常的に使うには不便で、だんだん使わなくなってしまいそうです。


*スケジュール


スケジュールも、iCalのタスクとイベントにリンクしていますが、やはり、手動で取り込まなくてはいけません。。

Bento2のiCalイベント(タスク)のライブラリにスマートコレクションを設定し、特定のカレンダー、タイトルなどで絞り込むことは可能ですが、プロジェクト管理に取り込む場合は、手動で指定しなくてはいけません。


*関連情報


このフォームは、プロジェクトのいろいろな関連情報をスクラップできるようと考えました。
しかし、フィールドタイプ:メディアを使用した関連メディアのフィールドには一つのメディア(写真、動画など)しか入力できないため、たくさんの画像をスクラップするのには使えません。スクラップ専用のライブラリが必要です。


以上、ライブラリを作成してみて感じたBento2の使い勝手について、いろいろ書いてみましたが、やはり、Bento2は、いい意味でも悪い意味でも初心者向けのデータベースソフトのようです。
初心者でも、素早く、簡単にデータベース(ライブラリ)が作成できますが、その先のステップ(レイアウトを工夫する、動的に他のデータを取りこむなど)が用意されていないため、「とりあえず、データベースを作った」ままで終わってしまいそうな気もします。
ただ、これは、私がFileMakerを使っているから思うことなので、Bento2しか使ったことがなければ、これで十分かもしれませんが。

個人的には、FileMakerで作ったデータベースを、Bentoといった親しみやすいインターフェースで使えたら、とても素敵な組み合わせになると思います。また、上にも少し書きましたが、Bentoで作成したライブラリを、FileMakerを使って、レイアウトの改良ができるようになったら、初心者がステップアップしやすくなると思います。

以上、長々と書いてしまいましたが、次回は、また別なライブラリ(テンプレート)にチャレンジしようと思います。

今回のテンプレートは、以下のページで公開されています。
http://macfan.jp/sp/2008/bento2/template4.html#b02

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