カラーマネージメントの本

しばらく間が開いてしまいましたが、再開します。今回は、カラーマネージメントについて。

Macで写真や画像を扱う上で、避けて通れないのが「カラーマネージメント」です。

デジカメで撮影した場合、デジカメのモニタ、パソコンのモニタ、プリントアウト、または印刷媒体(ポストカード、パンフレットなど)など、いろいろな装置、環境で写真を確認しますが、それぞれ色が微妙に(または大きく)違って見えてしまいます。そこで、共通の基準を設け、これらの色の違いを吸収し、より近い色に合わせようというのが、「カラーマネージメント」という技術だと思います。

ただ、概念的なものはわかっていても、実際、具体的にどうしたらいいのは、今ひとつはっきりしなかったので、参考になる本を探してみました。実際購入するとなると結構高いので、まずは近所の図書館で数冊借りてきました。
ちなみに、以前、「図解カラーマネージメント実践ルールブック2004-2005」(ワークスコーポレーション発行)を買って読んでみたが、項目が豊富な割には、それぞれの内容が薄く、実際どうしたらいいのかがわかりませんでした。(このシリーズは毎年発行されているようですが、昨年は発行されていないようです)

今回借りたのは、「すぐにわかる!使える!!カラーマネージメントの本―仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアル」、「現場で使えるカラーマネージメント実践ガイド」、「カラーマネジメントガイド―カラーチャートとサンプル画像でスグできる!!」の三冊です。以下、読んだ感想など。


「すぐにわかる!使える!!カラーマネージメントの本―仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアル」(上原ゼンジ著、毎日コミュニケーションズ発行、税別3,200円)

この本、全くの初心者にとっては内容が難しいかもしれませんが、少しカラーマネージメントをかじったことがある人なら、知りたかったことが詳しく書いてあるので、とてもためになります。ただ、Mac OSXのAdobe Creative Suite 2を主に取り上げているため、それ以外の環境の人は、基本的考え方以外は参考にしにくいかもしれません。

本書は、カラーマネージメントの理屈・基礎、Photoshopの設定方法、カメラマンやデザイナーの運用方法、カラーマネージメントツールの紹介などがわかり易く書かれています。内容は、実際に印刷物制作などの仕事で活用している人向けなので、アマチュアや初心者には関係ない項目も多々あります。

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「現場で使えるカラーマネージメント実践ガイド」(藤島健著、毎日コミュニケーションズ発行、税別2,500円)

この本は、カラーマネージメント初心者向けで、カラーマネージメントの必要性が書かれ、仕事の内容別(ライターやカメラマンなど)に、どう取り組んでいったらいいかが分かり易く書かれています。

ソフト上のモニタ調整方法からキャリブレータ等を使った高度な調整方法まで分かり易く紹介され、Photoshop CS2の他、Photshop Elements、Paint Shop Pro、CorelDRAW、Painterなどの設定方法も説明されています。

カラーマネージメントをある程度知っている人には物足りないと思いますが、カラーマネージメントをこれから始めようと思う人には、ちょうどいい本だと思います。

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カラーマネジメントガイド―カラーチャートとサンプル画像でスグできる!!

カラーマネジメントガイド―カラーチャートとサンプル画像でスグできる!!

カラーマネジメントガイド―カラーチャートとサンプル画像でスグできる!!」(世良歩著、アスキー発行、税別3,000円)

こちらの本は、値段の割には内容が薄く、モニタの色と印刷物の色を合わせるという「カラーマッチング」を主に取り上げているため、カラーマネージメントを本格的に学ぼうと思う場合は、不向きかもしれません。取り上げている内容も項目は多いが、中身があまりなく、参考知識程度だと思います。

ただ、後半のカメラマン等の現場での運用方法の紹介は、少し参考になります。また、カラーチャートなどのデータを納めたCD-ROMが付録であり、誌面にそれらのカラーチャートが印刷されており、データと印刷の仕上がりが確認できるのは便利だと思います。ただし、全96ページの内、カラーチャートが40ページを占めていますが。


以上、三冊をざっと読んでみて、参考図書として手元に置いておこうと思ったのは、最初の「すぐにわかる!使える!!カラーマネージメントの本―仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアル」です。その他の二冊は、図書館で借りるか、本屋で立ち読みするので十分かなと思います。あくまで私見ですが。